ここでは物件購入のスケジュール面から、それぞれの段階でどのようなことに気を付けなくてはいけないのかについてご説明します。

不動産購入は「物件検索」から始まります。
「物件検索」についてのサポートについては、こちらをご覧ください。
買った後で後悔しないために「物件評価」をして、リスクを把握します。
「物件評価」をすることが、これらの段階の中で最も重要だと思っています。「物件評価」についてのサポートについては、こちらをご覧ください。
「物件評価」した上で納得できる物件が見付かったら、買付証明書(購入申込書)を入れます。
こちらでも触れましたが、買付証明書を入れてから契約日までの間も、本当に当該物件は購入するに値するのかの最終チェックを行います。
買付証明書と同時期に事前審査を依頼します。
買付証明書を入れる前後に金融機関に住宅ローンの事前審査を依頼します。事前審査が通らないと正式に買付証明書を受理しない売主さんも多いので、急いで行う必要があります。「物件評価」の段階でリスクがほとんどなく、内見で問題がなければ買付を入れようと思える物件が見付かれば、内見の前に事前審査を申込むことをお勧めします。
買付の1番手となり「売渡承諾書」を受け取ったら、契約日を決めます。
契約書にサインをすることで当該売買契約は確定します。契約書などの内容も事前に取り寄せてチェックしましょう。すべて納得できてから契約に臨みましょう。
買付証明書を入れてから契約日までにチェックする内容はこちらにまとめています。
契約書や重要事項説明書を添えて、住宅ローンの本審査を申請します。
契約書に「住宅ローン条項」がしっかり記載されていることを確認しましょう。
住宅ローン本審査の通過が実質的な契約完了です。
契約書の「住宅ローン条項」の特約期間(通常3週間~1ヶ月)の期限内に本審査を通過しなくてはなりません。仲介会社も銀行と頻繁に連絡を取り合いますが、銀行から連絡があった場合には速やかに仲介会社まで連絡をください。
引渡し前に、物件の最終確認をします。
契約の際に売主より交付された「付帯設備表」に基づき、設備の有無や稼働状態も確認します。
残金を支払い、物件の鍵を貰います。
銀行の会議室で儀式のように淡々と行われることの多い「決済・引渡し」ですが、当日の朝、当該物件の登記事項を確認することだけは忘れないようにしましょう。(依頼した行政書士がやってくれていますが) 2重売買の被害に遭わないために必要な確認です。
銀行の会議室から司法書士には法務局に直行してもらいます。
残金の支払いと所有権移転は、同時履行にあります。まずもって問題ない筈ですが、司法書士から「所有権移転登記の申請が法務局で受理されました。」と連絡を受ければ安心です。
新居に引越しです。
引渡しと同時にリフォームをする場合などは、引っ越せるのは先になりますが、不動産購入としてはこれがゴールとなります。

不動産を購入する際の流れを大まかに見てきましたが、そもそもリスクがある不動産を掴まされないために「物件評価」が必要であること本当に購入していいのかの判断は買付~契約の間に建物についての書類などをチェックしてからするべきことを改めて強調したいと思います。

騙されたくないのであれば、“行動”で判断する

不動産業者の担当者について「優しかった」「笑顔がよかった」「すぐに返事をくれた」等により「信用した」という話を聞きますが、他のページでもお伝えしています通り、買主が請求しなくても必要な書類を集め、それらについて専門家としての知見を駆使して調査し、買主のリスクを限りなく小さくするのが“いい業者”です。資料を集めたり、それらを調べたり、といった“行動”をするかどうかで判断します。

物件を探している段階

具体的には、物件を探している段階での「物件評価」機能として、

地盤が悪いかどうかの不安を払拭する資料を提示するか。
敷地の端に擁壁がある場合に、盛土か切土かを説明するか。
谷地、低地である場合に、そのリスクを説明するか。

川沿い、もしくは流域である場合に、そのリスクを説明するか。
幹線道路や首都高速沿いである場合に、そのリスクを説明するか。

ハザードマップに該当するか否かの説明があるか。

等々、簡単に調べることのできるリスクをあらかじめ指摘してくれるかどうかを見ます。

不動産に携わる専門家だというなら、その知見を購入サポートを求めるお客様のために使うべきです。お客様が求めているのは、クロージングの技術ではなく、本当に購入に値する物件なのかどうかを判断するための情報です

買付証明書を入れた後

次に、買付証明書を入れた後です。ここは非常に分かりやすい見極めポイントになります。

買付証明書を受け取った後、契約日をいつにするかという話しかしない業者は“ダメ業者”です。買付証明書を入れてからでないと貰えない書類があるのだから、それらをすぐに売主側業者に請求する必要があります。その“行動”をするのが“いい業者”です。
※ 買付の後に取り寄せる必要がある資料については、こちらをご覧ください。

見るべきポイントは、笑顔ではなく“行動”です。ぶっきらぼうでも、必要な行為を必要なタイミングで実行する担当者が評価されて欲しいと思っています。